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12. windres

URL="https://bookshelf.jp/cgi-bin/goto.cgi?file=binutils-ja&node=windres"
"binutils/windres"へのコメント(無し)

windresは,Windowsのリソースを操作することに使用することが可 能です.

警告: windresは,Windowsターゲットに対してのみ役に立つ ので,常にバイナリユーティリティの一部としてビルドされるわけではありま せん.

 
windres [options] [input-file] [output-file]

windresはリソースを入力ファイルから読み込み,それを出力ファイ ルにコピーします.ファイルは以下の三つの形式のいずれか一つが可能です.

rc
リソースコンパイラで読み込むテキスト形式.

res
リソースコンパイラが生成したバイナリ形式.

coff
COFFオブジェクト,または,実行形式.

これらの形式の差異の正確な記述は,Microsoftのドキュメントで利用可能です.

windresrc形式からres形式に変換するとき,それ はWindows Resource Compilerのように動作します.windresres形式からcoff形式に変換するとき,それはWindows CVTRESプログラムのように動作します.

windresrcファイルを生成するとき,出力は似ていますが, 入力で期待される形式と同一ではありません.入力rcファイルが外部の ファイル名を参照するとき,出力rcファイルは,その代わりにファイル の内容を含めます.

入力や出力の形式が指定されていない場合,windresはファイル名, または,入力ファイルのファイルの内容を基に推測します.`.rc'の拡張 子を持つファイルは,rcファイルとして扱われ,`.res'の拡張子 を持つファイルは,resファイルとして扱われ,そして,`.o'や `.exe'の拡張子を持つファイルは,coffファイルとして扱われま す.

出力ファイルが指定されない場合,windresは,rc形式内の リソースを標準出力に出力します.

rcを書き,COFFオブジェクトファイルに変換するために windresを使用し,COFFファイルをアプリケーションにリンクするの が通常の使用方法です.これは,rcファイルのリソースの記述を, Windowsで利用可能にします.

-i filename
--input filename
入力ファイル名です.このオプションが使用されていない場合, windresは,最初の非オプションの引数を入力ファイル名として使用 します.非オプションの引数がない場合,windresは,標準入力から 読み込みます.windresは,COFFファイルを標準入力から読み込むこ とは不可能です.

-o filename
--output filename
出力ファイル名です.このオプションが使用されない場合, windres は,入力ファイル名として使用した後の,最初の非オプショ ンの引数を出力ファイル名として使用します.非オプションの引数がない場合, windres は,標準出力に書き出します.windresは, COFFファイルを標準出力に書き出すことは不可能です.rcとの互換 性のため,オプション`-fo'も受け入れますが,その使用方法は推奨さ れていないことに注意して下さい.

-J format
--input-format format
読み込む入力の形式です.formatは,`res',`rc',または `coff'が可能です.入力形式が指定されない場合,windresは, 上記のように推測します.

-O format
--output-format format
生成する出力の形式です.formatは,`res',`rc',または `coff'が可能です.出力形式が指定されない場合,windresは, 上記のように推測します.

-F target
--target target
入出力としてのCOFFに対して使用するBFDフォーマットを指定します.これは, BFDターゲット名です.サポートされているターゲットのリストを見るために, `--help'オプションが使用することが可能です.通常, windresはデフォルトのフォーマットを使用し,それは `--help'オプションでリストアップされる最初のものです.

15.1 ターゲットの選択.

--preprocessor program
windresrcファイルを読み込むとき,それは最初にCプリプ ロセッサを通じて実行されます.このオプションは,使用するプリプロセッサ を指定するために利用してもかまわず,それには引数を前置するものを含みま す.デフォルトのプリプロセッサ引数は,gcc -E -xc-header -DRC_INVOKED です.

-I directory
--include-dir directory
rcファイルを読み込むとき使用する,インクルードディレクトリを指定 します.windresは,これを`-I'オプションとしてプリプロ セッサに渡します.windresは,rcファイルで指名されてい るファイルを探すとき,このディレクトリの検索も行います.このコマンドに 渡された引数が,(`-J'オプションで記述されている) サポートされる formatsにマッチする場合,推奨しない旨の警告を発し,`-J' オ プションのように動作します.新しいプログラムでは,この動作を使用すべき ではありません.ディレクトリがformatにマッチする場合,単純な接頭 辞`./'を用いて下位互換性が無くなるようにして下さい.

-D target
--define sym[=val]
rcファイルを読み込むとき,プリプロセッサに渡す`-D'オプショ ンを指定します.

-U target
--undefine sym
rcファイルを読み込むとき,プリプロセッサに渡す`-U'オプショ ンを指定します.

-r
rcとの互換性のためで,無視されます.

-v
冗長モードを可能にします.これは,プリプロセッサが指定されていない場合, そのプリプロセッサを報告します.

-l val
--language val
rcファイルを読み込むとき使用する,デフォルトの言語を指定します. valは16進数の言語コードにする必要があります.下位8ビットは言語で, 上位8ビットはサブ言語です.

--use-temp-file
プリプロセッサの出力を読み込むためpopenを使用する代わりに,一時ファイル を使用します.popenの実装にバグの多いホストの場合,このオプションを使用 してください(例えば,ある非英語バージョンのWindows95とWindows98は,出力 がコンソールでないところでは,バグの多いpopenとなっていることが知られて います).

--no-use-temp-file
プリプロセッサの出力を読み込むため,一時ファイルではなくpopenを使用しま す.これはデフォルトの動作です.

-h
--help
使用方法の概要を出力します.

-V
--version
windresのバージョンナンバーを出力します.

--yydebug
windresYYDEBUG1と定義してコンパイルされる場 合,パーサデバッグを開始します.


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