A. Bisonの記号一覧
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error
-
エラー回復のために予約されているトークン名です。 このトークンが文法規則の中で使われていると、Bison構文解析器は、 構文エラーを認識し、プロセスの実行を中断しません。 実質的には、エラーを含む文が、有効であると認識されます。 エラーが起きると、
error
トークンが現在の先読みトークンになります。 error
に対応するアクションが実行されて、 先読みトークンがエラーの原因になったトークンに戻されます。 See 節 6. エラーからの回復。
YYABORT
-
回復不可能な構文エラーが発生した場合のためのマクロで、 実行するとただちに
yyparse
が1を返します。 エラー報告関数yyerror
は呼び出されません。 See 節 The Parser Function yyparse
。
YYACCEPT
-
構文解析器が言語を完全に読み終えた場合のためのマクロで、 実行するとただちに
yyparse
が0を返します。 See 節 The Parser Function yyparse
。
YYBACKUP
-
構文解析器のスタックから1個の値を捨て、先読みトークンのふりをさせます。 See 節 Special Features for Use in Actions。
YYERROR
-
構文エラーがちょうど検出された場合のためのマクロで、
yyerror
を呼び、可能ならば通常のエラー回復処理 (see 節 6. エラーからの回復)を実行し、不可能ならば yyparse
が1を返します。 See 節 6. エラーからの回復。
YYERROR_VERBOSE
-
Bison宣言部で
#define
によってこのマクロを定義すると、 yyerror
が呼ばれたときに表示されるエラー報告が詳しくなります。
YYINITDEPTH
-
構文解析器スタックの最初の大きさを指定するマクロです。 See 節 5.8 スタックオーバーフローと防ぎ方。
YYLEX_PARAM
-
yyparse
がyylex
に渡すための、追加の引数または 引数の並びを指定するためのマクロです。 See 節 Calling Conventions for Pure Parsers。
YYLTYPE
-
yyloc
のデータ型を示すマクロで、4個のメンバからなる構造体です。 See 節 Textual Positions of Tokens。
yyltype
-
YYLTYPE
の省略時の値です。
YYMAXDEPTH
-
構文解析器のスタックの最大の大きさを指定するマクロです。 See 節 5.8 スタックオーバーフローと防ぎ方。
YYPARSE_PARAM
-
yyparse
が受け取るべき引数の名前を指定するマクロです。 See 節 Calling Conventions for Pure Parsers。
YYRECOVERING
-
構文解析器が構文エラーから回復している途中かどうかを示す値のマクロです。 See 節 Special Features for Use in Actions。
YYSTYPE
-
意味値のデータ型を指定するためのマクロで、省略すると
int
になります。 See 節 Data Types of Semantic Values。
yychar
-
広域的な
int
型の変数で、現在の先読みトークンの番号を記憶しています (再入可能な構文解析器では、この変数はyyparse
に局所的です)。 エラー回復規則のアクションは、この変数の値を調べられます。 See 節 Special Features for Use in Actions。
yyclearin
-
エラー回復規則のアクションで使われるマクロです。 直前の先読みトークンを消去します。 See 節 6. エラーからの回復。
yydebug
-
int
型の広域変数で、初期値は0です。 yydebug
の値が0でないと、構文解析器は、 読み込んだ記号と構文解析器のアクションに関する情報を表示します。 See 節 Debugging Your Parser。
yyerrok
-
構文エラーの後で、構文解析器をただちに通常の状態に戻すためのマクロです。 See 節 6. エラーからの回復。
yyerror
-
エラーが起きたときに
yyparse
から呼び出される、ユーザー定義関数です。 この関数は1個の引数を受け取り、その引数はエラーの報告を含む文字列への ポインタです。 See 節 The Error Reporting Function yyerror
。
yylex
-
ユーザー定義の字句解析関数で、次のトークンを得るために、 引数なしで呼び出されます。 See 節 The Lexical Analyzer Function
yylex
。
yylval
-
トークンに関連する意味値を
yylex
が置くための広域変数です (再入可能な構文解析器では、これはyyparse
の局所変数で、 その番地がyylex
に渡されます)。 See 節 Semantic Values of Tokens。
yylloc
-
トークンに関連する行番号と桁番号を
yylex
が置くための 広域変数です(再入可能な構文解析器では、この変数はyyparse
に 局所的で、その番地がyylex
に渡されます)。 文法アクションで`@'機能を使わないならば、 この値を無視してかまいません。 See 節 Textual Positions of Tokens。
yynerrs
-
構文エラーが発生するたびにBisonが値を1増やす広域変数です (再入可能な構文解析器では、この変数は
yyparse
に局所的です)。 See 節 The Error Reporting Function yyerror
。
yyparse
-
Bisonによって生成される構文解析器関数で、 この関数を呼び出すことによって構文解析が始まります。 See 節 The Parser Function
yyparse
。
%left
-
トークンに左結合性を与えるBison宣言です。 See 節 Operator Precedence。
%no_lines
-
構文解析器ファイルの中に
#line
ディレクティブを生成しないための Bison宣言です。 See 節 3.6.8 Bison宣言の要約。
%nonassoc
-
トークンに非結合性を与えるためのBison宣言です。 See 節 Operator Precedence。
%prec
-
指定された規則に優先順位を与えるためのBison宣言です。 See 節 Context-Dependent Precedence。
%pure_parser
-
再入可能な構文解析器を生成するためのBison宣言です。 See 節 A Pure (Reentrant) Parser。
%raw
-
通常のYacc互換トークン番号の代わりに、 トークン表のBison内部トークン番号を使うための、Bison宣言です。 See 節 3.6.8 Bison宣言の要約。
%right
-
トークンに右結合性を与えるためのBison宣言です。 See 節 Operator Precedence。
%start
-
開始記号を指定するためのBison宣言です。 See 節 The Start-Symbol。
%token
-
優先順位を指定せずにトークンを宣言するためのBison宣言です。 See 節 Token Type Names。
%token_table
-
構文解析器ファイルの中でトークン名の表を挿入するためのBison宣言です。 See 節 3.6.8 Bison宣言の要約。
%type
-
非終端記号を宣言するためのBison宣言です。 See 節 Nonterminal Symbols。
%union
- 意味値として可能ないくつかのデータ型を指定するためのBison宣言です。 See 節 The Collection of Value Types.
Bison文法ファイルの中で使う、区切り記号があります。
- `%%'
-
Bison宣言部、文法規則部、(省略可能な)Cプログラム部を区切る記号です。 See 節 The Overall Layout of a Bison Grammar。
- `%{ %}'
-
文法ファイルの`%{'と`%}'の間に書かれたすべてのプログラムは、 そのまま構文解析器ファイルに複写されます。 このようなプログラムが、文法ファイルのC宣言部を構成します。 See 節 Outline of a Bison Grammar。
- `/*...*/'
-
C言語と同様のコメントです。
- `:'
-
規則の結果と構成要素を分離する記号です。 See 節 Syntax of Grammar Rules。
- `;'
-
規則の終わりの記号です。 See 節 Syntax of Grammar Rules。
- `|'
- 同一の非終端記号を結果とする複数の規則を区切る記号です。 See 節 Syntax of Grammar Rules。