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あなたは、先進的で、セルフドキュメント方式で、カスタマイズ可能で、 拡張可能な、GNU版の権化であるリアルタイム画面エディタ Emacsについて読んでいるところです。 (「GNU」の「G」は発音します。)
Emacsは画面エディタであるというのは、 編集中のテキストを画面上で見ることができ、 コマンドを入力すると自動的に画面が更新されるということです。 See 節 Display。
リアルタイムエディタと呼ぶのは、 頻繁に画面更新が行われ、通常、1文字か2文字打つと更新されるからです。 編集にともなって覚えておくべきことを最小限に抑えられます。 See 節 Basic Editing。
Emacsは先進的であるというのは、単純な挿入と削除だけでなく、 プロセスの制御、プログラムの字下げの自動化、 複数のファイルを同時に眺める、整形済みテキストを編集する、 文字、単語、行、文、段落、ページを扱うのと同様に、 異なるプログラミム言語の式やコメントを扱うといった機能も提供するからです。
セルフドキュメント方式とは、 特別な文字Control-hを打てば、 何ができるかいつでも知ることができるということです。 それによって、任意のコマンドが何をするものなのか調べたり、 ある話題に関連するすべてのコマンドを調べることができます。 See 節 G. ヘルプ機能。
カスタマイズ可能とは、 Emacsコマンドの定義を若干変更できるということです。 たとえば、`<**'で始まり`**>'で終わるようなコメントの プログラム言語を使っている場合には、 Emacsのコメント操作コマンドにこれらの文字列を使うように指示できます (see 節 V.7 コメントの操作)。 別の種類のカスタマイズとしては、コマンドセットの再編成があげられます。 たとえば、キーボード上で菱形を形作る位置にあるキーを (上下左右の)4つの基本的なカーソル移動コマンドとして使いたければ、 そのようにキーを再定義できます。 See 節 AE. カスタマイズ。
拡張可能とは、単純なカスタマイズではなく、 Emacs自身のLisp処理系で動作するLisp言語でプログラムを書ける、 つまり、まったく新しいコマンドを書けるということです。 Emacsは『オンラインで拡張可能』なシステムです。 つまり、Emacsは互いに呼び合う数多くの関数に分割でき、 編集している最中でさえ、それらの関数のどれでも再定義できます。 Emacs全体を1つ1つコピーしたりせずに、 Emacsの任意の部分だけを置き換えることが可能です。 Emacsのほとんどの編集コマンドはLispで書いてあります。 少数の例外もLispで書くことも可能ですが、効率のためにCで書いてあります。 拡張機能を書けるのはプログラマだけですが、 書き上げてしまえば誰でもそれを利用できます。 Emacs Lispのプログラミングを学ぶには、 Free Software Foundationが出版した Robert J. Chassellの Introduction to Emacs Lisp (4) を勧めます。
Xウィンドウシステムで動作するEmacsでは、 独自のメニューとマウスボタンによる便利な操作を提供します。 しかし、たとえ文字端末であっても、 Emacsはウィンドウシステムの恩恵を与えてくれます。 たとえば、複数のファイルを同時に眺めたり編集したり、 ファイル間でテキストを移動したり、 シェルコマンドを実行している最中でもファイルを編集できます。
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