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ここでは三種類の MUA (Message User Agent) を紹介します。それらの MUA は すべて emacs-w3m を使うことによって HTML メールを適切に表示することがで きます。それぞれの MUA と emacs-w3m を設定して使うための HowTo といくつ かの注意を、ここで見つけることができるでしょう。
異なる習慣に関する即席の注釈: `message' って何? − Gnus ユーザ が `message' と言うとき、それはしばしばメールまたはニュースとして送 信するメッセージの草稿を意味します。しかし、それは Mew や Wanderlust の ユーザが、受信したメッセージに対して使う用語です。彼らは送信するメッセー ジに `draft' を使っています。一方 Gnus ユーザは、受信したメッセージ を `article' と呼びます。
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第一に、もしユーザオプション mm-text-html-renderer
がデフォルト で shr
または gnus-w3m
になっているのであれば (つまり関 数 mm-shr
または gnus-article-html
が利用できるのであれば)、 そして Gnus の内蔵の HTML 描画器であるその関数に満足しているの であれば、何もする必要は無いでしょう。See 節 `表示 のカスタマイズ' in
XEmacs で gnus-article-html
を使うためのヒント が http://article.gmane.org/gmane.emacs.gnus.general/72704 にあり ます。
しかし、もしお使いの Gnus が少し古くて mm-shr
関数 や gnus-article-html
関数が使えないか、または HTML 記事 の描画のために emacs-w3m を試してみたいのであれば、この章はまさにあなた のためのものです。
HTML の spam メールを、emacs-w3m を使って人間が読めるように変換すること ができます。もちろん HTML の ham メール (spam ではないメール) に対しても 働き、どちらの場合でも emacs-w3m はデフォルトの変換器よりもたぶん速いで しょう。追加の操作は必要ありません。それは単に表示されます。
記事バッファの HTML の部分では w3m-minor-mode
が on になって、 emacs-w3m のと同じ主要なキーを使うことができます。例え ば RET は、現在位置のリンクが指し示すページに行きます。それ らのキーは変数 w3m-minor-mode-command-alist
で定義されています。 保安上の理由から、いくつかのコマンドはそれに似た別のコマンドで置き換えら れていることを心に留めておいてください (下記参照)。
この行を `~/.gnus.el' ファイルに追加してください。
(setq mm-text-html-renderer 'w3m) |
さらに、記事バッファで画像を表示したい場合は、以下の行を入れてください。
(setq mm-inline-text-html-with-images t) |
記事バッファで emacs-w3m のキーを使う必要が無いならば、以下の行も追加し てください:
(setq mm-inline-text-html-with-w3m-keymap nil) |
前に spam と ham のことを書いたのはふざけているわけではなくて、あなたの 注意を喚起するためにまさにここにあるのです。HTML メールに は `' タグを使った spammers (spam をばらまくやから) の卑劣な悪 巧みが含まれているかもしれません。それは `Click Here!' ボタンよりは るかに有害です。最もありそうなのは、そんなたちの悪い spam があなたの目に 止まったかどうかを検査する、すなわちこの場合、あなたのメールアドレスが有 効であることを確認するための spammer の意図があることです。それは、画像 を表示するときに自動的に取得しに行くであろう URL に、識別文字列を埋め込 むことによって行なわれます。変数 mm-w3m-safe-url-regexp
がデフォ ルト値から変更されていなければ、Gnus が勝手に spammer のサイトに接続する ことはありません。
mm-inline-text-html-with-images
を t
にすれば、記事バッファ にインライン画像を表示することができますよね? いいえ、断じて違います。 あなたはまだ守られているのです。あなたのメールアドレスが到達可能だという 事実が漏れることを気にしないのであれば、変 数 mm-w3m-safe-url-regexp
を nil
にしてください。 mm-w3m-safe-url-regexp
のデフォルト値は `"\\`cid:"' で、これ は私たちが `cid:' URL によってメールに含まれている画像が安全だと考 えていることを意味します (すなわち、mm-w3m-safe-url-regexp
を変更 しなくても、そのような画像は表示することができます)。
概略バッファにいるときでも、記事バッファの画像表示をトグルに切り換えるこ とができます。それらの画像が emacs-w3m によって表示される場合だけですけ れどね。例です:
(defun gnus-summary-w3m-safe-toggle-inline-images (&optional arg) "Toggle displaying of all images in the article buffer. If the prefix arg is given, force displaying of images." (interactive "P") (with-current-buffer gnus-article-buffer (let ((st (point-min)) (nd (point-max)) (w3m-async-exec w3m-async-exec)) (save-restriction (widen) (if (or (> st (point-min)) (< nd (point-max))) (setq w3m-async-exec nil)) (article-goto-body) (goto-char (or (text-property-not-all (point) (point-max) 'w3m-safe-url-regexp nil) (point))) (if (interactive-p) (call-interactively 'w3m-toggle-inline-images) (w3m-toggle-inline-images arg)))))) (eval-after-load "gnus-sum" '(define-key gnus-summary-mode-map "\C-i" 'gnus-summary-w3m-safe-toggle-inline-images)) |
9.1 Gnus をウェブブラウザにする! も参照してください。
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Emacs-w3m を使うことによって、Text/Html を Message モードに表示できるよ うになります。以下の設定を `~/.mew.el' ファイルに加えてください:
(require 'mew-w3m) |
これで、あたかも Text/Plain であるかのように、Text/Html を Message モー ドに表示できるようになります。この際も、C-c C-e の操作は有効で す。
このごろ、同じ情報を二つ含んでいるメールを非常によく見かけます。それら は `text/plain' パートと `text/html' パートの両方から成る (何 ちゅうバンド幅の無駄使いだ) `multipart/alternative' フォーマットを 使っています。Mew はデフォルトでは `text/plain' パートだけを表示し ます。あなたは emacs-w3m を使っているのですから、`text/html' パー トの方を優先したくなるかもしれません。それならば、以下の設定 を `~/.mew.el' ファイルに加えてください:
(setq mew-mime-multipart-alternative-list '("Text/Html" "Text/Plain" ".*")) |
Mew に関連するいくつかのカスタマイズ可能な変数があります:
mew-use-w3m-minor-mode
nil
にすると、text/html パートが表示されているメッセージバッファ において w3m-minor-mode
が on になり、emacs-w3m のと同じ主要なキー を使うことができます。例えば RET は、現在位置のリンクが指し 示すページに行きます。それらのキーは変 数 w3m-minor-mode-command-alist
で定義されています。保安上の理由 から、いくつかのコマンドはそれに似た別のコマンドで置き換えられていること を心に留めておいてください。デフォルト値は nil
です。
mew-w3m-auto-insert-image
nil
にすると、multipart/related なメッセージを読んでいるときに、 メッセージバッファで画像をインライン表示させることができます。mew-w3m は、 表示するために `cid:' URL によってメールの本文に含まれている画像だ け (私たちはそれらを安全だと考えています) を許可することに注意してくださ い。デフォルト値は nil
です。
ここで、`~/.mew.el' に
(define-key mew-summary-mode-map "T" 'mew-w3m-view-inline-image) |
と書くと、"T" を押すことによって、画像表示の状態をトグルすることができ ます。また、"C-uT" と prefix をつけると、メール本文に含まれていない画 像も表示します。
mew-w3m-cid-retrieve-hook
nil
です。9.2 Mew で新聞を読む も参照してください。
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Emacs-w3m と SEMI MUA、例えば Wanderlust を使うことによって、 HTML メールを人間が読めるように表示することができます。そうい う MUA は MIME の機能を SEMI (そしてさらに FLIM) に 頼っているので、一般にそれを SEMI MUA と呼んでいます。 SEMI は HTML メールの描画にデフォルトで Emacs/W3 を使いますが、 容易に emacs-w3m で置き換えることが可能です。それによってあなたの電脳生 活はより快適になるでしょう。
単に以下の行を `~/.emacs' ファイルに入れれば良いのです:
(require 'mime-w3m) |
mime-w3m
モジュールと mime-w3
モジュールは、ご想像の通り機 能的にほぼ同じものです (名前も似ているでしょう?)。後者 は SEMI パッケージに含まれています。
記事バッファの HTML の部分では w3m-minor-mode
が on になって、 emacs-w3m のと同じ主要なキーを使うことができます。例え ば RET は、現在位置のリンクが指し示すページに行きます。それ らのキーは変数 w3m-minor-mode-command-alist
で定義されています。 保安上の理由から、いくつかのコマンドはそれに似た別のコマンドで置き換えら れていることを心に留めておいてください。
mime-w3m
モジュールに関連するいくつかのカスタマイズ可能な変数があ ります:
mime-w3m-display-inline-images
nil
だったら、画像が HTML メールにインライン表示されます。最初 に default
というシンボルだったら (それがデフォルトです)、この変 数の値は、変数 w3m-default-display-inline-images
の値で置き換えら れます。たぶん、あなたはこれを変更する必要は無いでしょう。
mime-w3m-safe-url-regexp
mime-w3m-setup-hook
mime-w3m
モジュールと SEMI の協調動作を設定した直後に実 行されるフックです。デフォルト値は nil
です。ところで、summary バッファにいるときでも、article バッ ファ (Wanderlust のコミュニティでは message バッファと呼ばれている) の画 像表示をトグルに切り換えることができます。それらの画像が emacs-w3m によっ て表示される場合だけですけれどね。Wanderlust 用の例です:
(defun wl-summary-w3m-safe-toggle-inline-images (&optional arg) "Toggle displaying of all images in the message buffer. If the prefix arg is given, all images are considered to be safe." (interactive "P") (with-current-buffer wl-message-buffer (w3m-toggle-inline-images arg))) (eval-after-load "wl-summary" '(define-key wl-summary-mode-map "\M-i" 'wl-summary-w3m-safe-toggle-inline-images)) |
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VM で html メールを表示する機能を提供する vm-w3m.el モジュールとパッチ は VM の新しいメインテイナーに引き継がれましたが、まだ VM の安定版に現れ ていません。VM ホームページ を 訪ねてみてください。
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