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記事は一つしかない記事バッファーに表示されます。すべての概略バッファー は (Gnus に指示しない限り) 同じ記事バッファーを共有します。
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各記事の頭の部分はヘッダー (head) と呼ばれます。(残りの部分はボ ディー (body) です。すでにお気づきでしょうが。)
ヘッダーにはたくさんの有益な情報が含まれています。記事を書いた人の名前、 それが書かれた日付、および記事の表題です。これはとても良いのですが、ヘッ ダーには大部分の人にとっては見たくもない情報---記事があなたのところに着 くまでにどんなシステムを経由してきたか、Message-ID、 References などなど…もううんざりするくらい---たくさん含まれてい ます。たぶんあなたはこれらの行のいくつかは取り除いてしまいたいと思うでしょ う。もしこれらの行をすべて記事バッファー内に残しておきたければ、 gnus-show-all-headers を t に設定してください。
Gnus はヘッダーを選り分けるために二つの変数を用意しています:
gnus-visible-headersnil 以外であれば、どのヘッダーを記事バッファーに残した いかを指定する正規表現であるとみなされます。この変数に合致しないヘッダー はすべて隠されます。
例えば、記事を書いた人の名前と表題のみを見たければ、こう指定します:
(setq gnus-visible-headers "^From:\\|^Subject:") |
この変数は、表示させたいヘッダーに合致する正規表現をリストで指定すること もできます。
gnus-ignored-headersgnus-visible-headers の反対です。この変数が設定されて いれば (かつ gnus-visible-headers が nil であれば)、これは 隠したいヘッダー行すべてに合致する正規表現であるとみなされます。この変数 に合致しないすべてのヘッダー行が表示されます。
例えば、単に References 欄と Xref 欄のみを消し去りたければ、 以下のようにします:
(setq gnus-ignored-headers "^References:\\|^Xref:") |
この変数は消したいヘッダーに合致する正規表現のリストでも構いません。
なお、gnus-visible-headers が nil 以外の場合は、この変数に は効果が無いことに注意してください。
Gnus はヘッダーの並べ替え (sort) も行ないます (これはディフォルトで行な われます)。この並べ替えは gnus-sorted-header-list 変数を設定する ことで制御することができます。これはヘッダーをどういう順序で表示するかを 指定する正規表現のリストです。
例えば、記事の著者名を最初に、次に表題を表示したければ、こんな風になるで しょう。
(setq gnus-sorted-header-list '("^From:" "^Subject:"))
|
表示するようになっているヘッダーでこの変数に指定されていないものは、この 変数に指定されているすべてのヘッダーの後に、適当な順序で表示されるでしょ う。
gnus-treat-hide-boring-headers を head に設定することによっ て、もっとつまらないヘッダーを隠すことができます。この関数が何をするか は gnus-boring-article-headers 変数に依存します。この変数はリスト ですが、このリストには実際のヘッダーの名前が入るのではありません。代わり に Gnus がチェックして視界から消し去るためのさまざまな「つまらない条件」 (boring conditions) のリストを指定します。
この条件には以下のようなものがあります。
emptyfollowup-toFollowup-To 欄が Newsgroups 欄と同一である場合には消去しま す。reply-toReply-To 欄が From 欄と同じアドレスを示しているか、 broken-reply-to グループパラメーターが設定されている場合には消去 します。newsgroupsNewsgroups 欄が現在のグループ名しか含んでいない場合には消去します。to-addressTo 欄が現在のグループの to-address パラメーターと同じもの しか含んでいない場合には消去します。to-listTo 欄が現在のグループの to-list パラメーターと同じものしか 含んでいない場合には消去します。cc-listCc 欄が現在のグループの to-list パラメーターと同じものしか 含んでいない場合には消去します。dateDate 欄を消去します。long-toTo 欄および/または Cc 欄があまりにも長い場合には消去します。many-toTo 欄および/または Cc 欄が一つよりも多ければ、それらをすべ て消去します。これらのうちの三つの要素を入れたければ、こんな風になります:
(setq gnus-boring-article-headers
'(empty followup-to reply-to))
|
これはこの変数のディフォルト値でもあります。
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パントマイム (mime) は、観客があくびをしながらぼんやりしているのにもかか わらず、意味も無く空中で手を振るものの標準として広く知られています。
一方 MIME は、そのためにすべてのニュースリーダーが恐怖で死んで しまうのにもかかわらず、意味も無く記事をエンコードする標準です。
MIME は記事がどんな文字セットを使うか、文字をどうエンコードす るかを指定することができ、さらには絵やその他のみだらなものを無邪気な格好 の記事に埋め込むことさえ可能にします。
Gnus は MIME パートを表示するために、 gnus-display-mime-function によって MIME 記事を処理しま す。これはディフォルトでは gnus-display-mime で、 MIME オブジェクトを表示し、セーブし、かつ操作するために使うこ とができる、ひとかたまりのクリック可能なボタンを作成します。
MIME ボタンの上にポイントを置いたならば、以下のコマンドが利用 できます:
gnus-article-press-button)。そのオブジェクトを内蔵のビューワー で表示できないときは、Gnus は `mailcap' ファイルにある外部のビュー ワーに助けを求めます。ビューワーが `copiousoutput' 仕様になっている 場合は、オブジェクトはインラインで (訳注: Emacs の表示に埋め込まれて) 表 示されます。
gnus-mime-view-part)。
gnus-mime-view-part-as-type)。
gnus-mime-view-part-as-charset)。
gnus-mime-save-part)。
gnus-mime-save-part-and-strip)。
gnus-mime-replace-part)。
gnus-mime-delete-part)。
gnus-mime-copy-part)。接頭引数が与えられると、デコー ドせずに生の内容物をコピーします。数値の接頭引数を与えると、文字セットに よるデコードを半手動で切り替えることができま す (3.4 記事のスクロール で述べられてい る gnus-summary-show-article-charset-alist を参照してください)。 auto-compression-mode (see 節 `Accessing Compressed Files' in
gnus-mime-print-part)。 このコマンドは `.mailcap' ファイルで定義された `print=' 仕様に 従います。
gnus-mime-inline-part)。接 頭引数が与えられると、デコードせずに生の内容物を挿入します。数値の接頭引 数を与えると、文字セットによるデコードを半手動で切り替えることができま す (3.4 記事のスクロール で述べられてい る gnus-summary-show-article-charset-alist を参照してください)。 auto-compression-mode (see 節 `Accessing Compressed Files' in
jka-compr を使って自動的に解凍します。
gnus-mime-view-part-internally)。
gnus-mime-view-part-externally)。
gnus-mime-pipe-part)。
gnus-mime-action-on-part)。Gnus はいくつかの種類の MIME オブジェクトを自動的に表示します。 どのパートに対してそうするかを Gnus が決めるやり方については、 Emacs MIME マニュアルで述べられています。
不愉快なものでびっくりさせられるのを避けるには、トグルで切り替える関数を 使うのが最も良いでしょう。 (例えば、`alt.sing-a-long' グループに入 ると、あなたの気づかないうちに MIME は記事中のサウンドファイル をデコードして、何やら怪しげな長い長い歌があなたのスピーカーから大音響で 流れ出し、あなたはボリュームボタンを見つけられず、というのはそんなものは もともと付いていないからで、みんなはあなたの方を睨みはじめ、あなたはプロ グラムを止めようとするけれどもできなくて、ボリュームを制御するプログラム も見つけられなくて、そして部屋中の全員は突然あなたのことを軽蔑の眼差しで 見るようになってしまい、あなたはちょっと面白くない思いをする、とか)。
現実の出来事と実在の人物に類似しているかもしれませんが、これはすべてホン トのことです。げほげほ。
3.19 MIME コマンド も見てください。
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もし w3m があなたのシステムにインストールしてあれば、Gnus は記事 バッファーに HTML 記事を表示することができます。これを行なうた めの様々なやり方の付加機能がありますが、ディフォルトで使われるそんな一つ の手法が組み込みで用意されています。
完全な概要については See 節 `Display Customization' in
mm-text-html-renderergnus-article-html に設定されていると、 Gnus は w3m を利用するその組み込み機能を使います。
gnus-blocked-images
(setq gnus-blocked-images "ads") |
これは評価されるべき関数でも構いません。その場合、それはグループ名をパラ メーターとして呼ばれます。ディフォルト値 は gnus-block-private-groups で、ニュースグループの記事ではないど んなものに対しても `"."' を返します。これはメールを読むときに外部画 像を取得しないということで、それによってあなたがメールを読んだかどうかを 追跡するために誰も web bugs (訳注: インターネットユーザを追跡するための ツール) の類を使えないようにします。
gnus-inhibit-images も参照してください (see 節 4.6 記事のその他)。
gnus-html-cache-directorygnus-blocked-images がどう設定されているかに応じて画像を ダウンロードしてキャッシュしますが、それらの画像はこのディレクトリーに保 存されます。
gnus-html-cache-sizegnus-html-cache-size で指定されたバイト数を 越える古いファイルは消去されます。ディフォルトは 500MB です。
gnus-html-frame-widthgnus-max-image-proportionこれを使うためには w3m と curl がインストールされている必 要があります。もしあれば Gnus は自動的に HTML を表示するはずで す。
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記事をどのように見せるかをカスタマイズするためのたくさんの関数が存在して います。これらの関数を対話的に呼ぶこともできる し (see 節 3.18.4 記事の洗濯)、記事を選択したときに自動的に選択することも できます。
自動的に呼ばれるようにするためには、対応するトリートメント変数を設定しな ければなりません。例えばヘッダーを隠すためには、 gnus-treat-hide-headers を設定します。以下は設定できる変数の一覧 ですが、まずこれらの変数の取り得る値について話しましょう。
注意: いくつかの値は、有効な値であってもほとんど意味を無しません。実用的 な値は下の一覧を調べてください。
nil: このトリートメントをしません。
t: このトリートメントをすべての本文のパートで行ないます。
head: ヘッダーでそのトリートメントをします。
first: このトリートメントを最初の本文のパートで行ないます。
last: このトリートメントを最後の本文のパートで行ないます。
リストは再帰的に評価されます。リストの最初の要素は述語です。以下の述語が 認識されます: or, and, not, typep。例です:
(or last
(typep "text/x-vcard"))
|
ここで「パート」という語が使われていることに気付いたと思います。これはメッ セージには MIME マルチパート記事があり、いくつかのパートに分割 されているかもしれないという事実に関連しています。マルチパートでない記事 は一つのパートのみであるとみなされます。
このトリートメントはすべてのマルチパートのパートたちに適用されるのでしょ うか? はい、そうしたければそうなります。ですが、ディフォルトで は `text/plain' パートだけにトリートメントが施されます。これ は gnus-article-treat-types 変数で制御され、これはパートの型に合 致する正規表現のリストです。制御変数の値が、上で説明されているように述語 のリストであるときは、この変数は無視されます。
以下のトリートメントのオプションが使用可能です。これをカスタマイズするた めの最も簡単な方法は gnus-article-treat カスタマイズグループを調 査することです。丸括弧の中の値は提案されている意味のある値です。他のもの も可能ですが、ほとんどの人にとってはおそらくここに一覧表示されているもの で十分でしょう。
gnus-treat-buttonize (t, integer)gnus-treat-buttonize-head (head)See 節 3.18.6 記事のボタン.
gnus-treat-capitalize-sentences (t, integer)gnus-treat-overstrike (t, integer)gnus-treat-strip-cr (t, integer)gnus-treat-strip-headers-in-body (t, integer)gnus-treat-strip-leading-blank-lines (t, first, integer)gnus-treat-strip-multiple-blank-lines (t, integer)gnus-treat-strip-pem (t, last, integer)gnus-treat-strip-trailing-blank-lines (t, last, integer)gnus-treat-unsplit-urls (t, integer)gnus-treat-wash-html (t, integer)See 節 3.18.4 記事の洗濯.
gnus-treat-date (head)日付ヘッダーを gnus-article-date-headers 変数に応じて変形/追加し ます。これは表示する Date ヘッダーのリストです。利用可能な形式は:
utlocalenglishlapsedcombined-lapsedoriginaliso8601user-definedgnus-article-time-format 変数に従った形式。See 節 3.18.8 記事の日付.
gnus-treat-from-picon (head)gnus-treat-mail-picon (head)gnus-treat-newsgroups-picon (head)See 節 9.15.4 Picons.
gnus-treat-from-gravatar (head)gnus-treat-mail-gravatar (head)See 節 9.15.5 Gravatars.
gnus-treat-display-smileys (t, integer)gnus-treat-body-boundary (head) ヘッダーと本文の間に境界線を追加します。境界線に は gnus-body-boundary-delimiter に設定された文字列が使われます。
See 節 9.15.3 スマイリー.
gnus-treat-display-x-face (head)See 節 9.15.1 X-Face.
gnus-treat-display-face (head)See 節 9.15.2 Face.
gnus-treat-emphasize (t, head, integer)gnus-treat-fill-article (t, integer)gnus-treat-fill-long-lines (t, integer)gnus-treat-hide-boring-headers (head)gnus-treat-hide-citation (t, integer)gnus-treat-hide-citation-maybe (t, integer)gnus-treat-hide-headers (head)gnus-treat-hide-signature (t, last)gnus-treat-strip-banner (t, last)gnus-treat-strip-list-identifiers (head)See 節 3.18.3 記事を隠す.
gnus-treat-highlight-citation (t, integer)gnus-treat-highlight-headers (head)gnus-treat-highlight-signature (t, last, integer)See 節 3.18.1 記事のハイライト.
gnus-treat-play-soundsgnus-treat-ansi-sequences (t)gnus-treat-x-pgp-sig (head)gnus-treat-unfold-headers (head)gnus-treat-fold-headers (head)gnus-treat-fold-newsgroups (head)gnus-treat-leading-whitespace (head)See 節 3.18.5 記事ヘッダー.
もちろん、gnus-part-display-hook から呼ばれる自分用の関数を書く こともできます。関数はそのパートに範囲が狭められた状態で呼ばれ、ほとんど なんでも好きなことができます。バッファーに保存しておかなければならない情 報はありません---何でも変えることができます。
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概略バッファーにおけるキー操作のほとんどは記事バッファーでも使用できます。 これらは概略バッファーでそれらを押したかのように動作するはずです。つまり 記事を読んでいる間、実際に概略バッファーを表示させておく必要がありません。 すべての操作は記事バッファーから行なうことができるのです。
v キーはユーザー用に予約されています。そのまま何かのコマンドに割り 当てても構いませんが、接頭キーとして使う方が良いでしょう。
他にもいくつかのキーが利用できます:
gnus-article-next-page)。 h SPACE h とまったく同じです。
gnus-article-prev-page)。 h DEL h とまったく同じです。
Message-ID の近辺にあるときに C-c ^ を押すと、 Gnus はサーバーからその記事を取ってこようとしま す (gnus-article-refer-article)。
gnus-article-mail)。 接頭引数を与えると、そのメールを引用します。
gnus-article-show-summary)。
gnus-article-describe-briefly)。
gnus-article-next-button)。こ れは記事にボタンを付ける機能をオンにしているときのみ意味を持ちます。
gnus-article-prev-button)。
gnus-article-reply-with-original)。もし領域が活性化されていた ならば、その領域にあるテキストだけを yank します。
gnus-article-wide-reply-with-original)。もし領域が活性化され ていたならば、その領域にあるテキストだけを yank します。
訳注:「広い返答」とはヘッダーの To, From, (もしく は Reply-to) と Cc) のすべての人に返答をすることです。 Mail-Followup-To があれば、代わりにそれが使われます。
gnus-article-followup-with-original)。もし領域が活性化されて いたならば、その領域にあるテキストだけを yank します。| [ < ] | [ > ] | [ << ] | [ Up ] | [ >> ] | [表紙] | [目次] | [索引] | [検索] [上端 / 下端] [?] |
gnus-single-article-buffernil 以外であれば、すべてのグループに対して同じ記事バッファーを使 用します (これはディフォルトです)。nil であれば、各グループ毎の固 有の記事バッファーを持つようになります。
gnus-widen-article-windownil でなかったら h コマンドで記事を選ぶときに記事ウィ ンドウをフレーム全体を占めるように拡大します。
gnus-article-decode-hook(article-decode-charset article-decode-encoded-words) です。
gnus-article-prepare-hookgnus-article-mode-hookgnus-article-mode-syntax-tabletext-mode-syntax-table をもとに初期化されます。
gnus-article-over-scrollnil にすることによって、それ以上スクロールする新しいテキストが 無くても記事バッファーをスクロールできるようにします。ディフォルト は nil です。(訳注: 記事の最下行が見えているときに、nil だ と RET キーでそれ以上スクロールしませんが、非-nil にすると 記事が見えなくなるまでスクロールします。)
gnus-article-mode-line-formatgnus-summary-mode-line-format と同じ仕様に沿った様式文 字列です (see 節 3.1.3 概略バッファーのモード行)。これは、その変数と同じ様式 指定および二つの拡張を受付けます。
gnus-break-pagesnil 以外であれば、記事中にページ区切り文字が現れるごとにページ 分割をします。この変数が nil であればページ分けは行なわれません。
gnus-page-delimitergnus-use-idnagnus-inhibit-imagesnil でなければ、記事のボディーでの画像のインライン表示を禁止 します。これは MIME パートとして記事にある画像、およ び mm-text-html-renderer (see 節 `表示のカ スタマイズ' in
shr また は gnus-w3m である場合に表示された HTML 記事の画像に対 して有効です。
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